教室の日常

糸でボタン作り

手織りのジャケットの襟元に同じ糸で作った糸のブローチ(生徒作品)。
 
 
 糸のボタン1
 
 
この作品が発端となり、ブローチの作り方のミニスポットレッスンを連日行っています。
 
 
 糸のボタン2
 
 
ブローチの技法は板紙を使ったカード織りです。
主に包みボタンを作るのに使っていた様です。
 
厚紙を円盤に切り抜き、道具も手作りします。
 
クルクル円盤を回しながら、
少しづつ菊の花びらの様な形が出来て来るのが楽しくて、
手が止まらなくなってきます。
 
たちまち一個完成すると、またもう一個・・・
色や大きさ、糸質を変えて、またもう一個・・・
 
織った布と同じ糸でポケット口やバッグの口に利用したり、
ブローチやイヤリングなどのアクセサリーにしたり、
工夫次第で幅広く使えそうな技法です。
 
写真はマフラーのポケット口に付けようかと並べてみたところ。
いきなり可愛らしくなりますね。
 
 
糸のボタン3
 
 
 

コットンボール

暑い暑い夏が嘘だったように、急に涼しくなりました。
落ち着いて手仕事に向かえる季節到来です。
 
綿を栽培している生徒さんたちから、
「綿の実の収穫のお知らせ」をたくさんいただいてます。
 
30個以上のコットンボールが獲れた方もいらして、
種から育てたふわふわの綿を手にして、感無量。
 
 
 コットン1  コットン2
 
 
これから丁寧に種と綿に分けてカーディングをし、糸にします。
 
 
 コットン3  コットン4
 
コットン5
 
 
この後は、出来上がった糸を織り機にかけて布にします。
 
「種から育てた手紡ぎ手織りのオーガニックコットンのハンドタオル」
 
完成はもう間近です。
 
 
 

仕上げの美しさ

織りの作品は、マフラー、ストール、タピストリーなどのように
織った形のまま使用するのものばかりではありません。
 
たいていは何かに仕立てる作業が発生するものです。
 
例えば、前回記事のジャケットは、
仕立て作業を簡単に出来ないかと、
試行錯誤の末に出来た形です。
 
仕立ては織りとは別の技術。
得意不得意があります。
 
せっかく手間暇かけて織った布ですから、
ちゃんと綺麗に仕立てて使いたいものです。
 
下の写真は、織った布をポケットに利用したバッグと、
長財布キットを利用したお財布です。
 
 
 美しい仕上げ
 
 
どちらの作品も最後の仕立てがとても綺麗。
 
織った布を上手く活かし、
丁寧な手仕事ぶりが伝わって来る作品です。
 
このように、最後の仕立てで作品の良し悪しがかなり変わるのです。
 
バッグや服に関しては、
たまにはプロに仕立てを依頼する事もおすすめしていますが、
高額な仕立て代がかかります。
 
でも、素人仕立てで手作り感満載の作品は、
ちょっと恥ずかしくて使えないし・・・
 
と、仕立ての作業は悩みのタネ。
 
仕立てが簡単で綺麗な形に仕上がる方法を、
常に生徒さんと共に探しています。
 
 

不思議なジャケットと、不思議なボタン

まだまだ30度越えの猛暑が続く日々ですが、
秋冬物の作品が出来上がった出来ました。
 
 
 ジャケット
 
 
織り幅いっぱいのマフラーを2枚織るつもりでいれば大丈夫。
 
ハサミで切ることも、ミシンで縫うことも無く、
服に組み立てられるのです。
 
しかも、直線的なわりには可愛い形。
 
織りは出来るけど、その後の仕立ては超苦手、
という方におすすめなジャケットです。
 
 
 ボタン
 
 
さてさて、このお揃いブローチ。
 
一件、編みぐるみのボタン風なのですが、
よーく見ると、見たことが無い不思議な構造。
 
「このブローチの作り方が知りたい!」
 
と、生徒の皆さんから頼まれているのですが、
この作品は生徒さんのモノ。
 
ちょっと作り方を検索したところ、
ルーマニアで編まれている「コイル編み」という技法でした。
珍しい技法だったんですね。
 
こんな風に、生徒さんから新しい事を教えていただくことも多いのです。
 
 
 

汗水流して実践課題

高機の通常課題は技法習得の為のサンプル作りです。
織り幅は15センチ程。
 
この織り幅が50、60センチとなったら、
これまでと違って、どんな問題が起こるでしょう・・・。
 
そんなわけで、6月から課題に実践編2点を加えました。
 
 
 実践課題1 実践課題2
 
 
まず、50センチ幅の麻のストール。
天女の羽衣のように、透けている薄い布です。
 
生徒の皆さんの反応は、案の定・・・。
 
「糸が細すぎて見えなーい」
「本数が多くて、整経を間違えたー」
「タテ糸ひとりで巻きとれなーい」
「綜絖の通し順を間違えたー」
「タテ糸がブツブツ切れるー」
 
などなど、皆さん、汗と涙で大変!
織り上がるまで難所だらけです。
 
でも、織りの素晴らしいところは、
ひとつひとつ工程をこなしていけば、
最後はちゃんと完成する事です。
 
細い糸や本数の多さも、
作品数をこなしている内に慣れてきます。
 
素敵な作品が出来上がった時には、
今までの苦労はすっかり忘却の彼方。
 
また次の作品に挑戦したくなるから、やめられないのです。
 
 

夏の身近な素材

夏の身近な素材を使って涼しげな作品ができました。
 
ザルの中にあるのはトウモロコシの外皮。
干からびて、パリパリ。
 
ゴミ箱に捨てるのは、ちょっと待って!
 
 
 トウモロコシの外皮
 
 
これを水につけて、ふやかしながら手で裂きます。
短いけど、しっかりした強い繊維です。
 
丁寧に裂いた皮を重ねながらしっかり打ち込み織っていけば、
旬のコースターの出来上がり。
 
 
 旬のコースター
 
 
このコースターは生徒さん作。
ちょうど織りあがったところです。
 
うっすら緑がかっているのは、今年の新作の証拠。
 
年月が経つと、少しずつ酸化して茶色味がかりますが、
それもまた味わい深いものです。
 
自然素材の色の変化はソフトで嫌味がありません。
 
 
もうひとつは、ホオズキ。
生徒さんが作って来て下さいました。
 
 
 ホオズキ
 
 
トンボの羽のような細やかなネットの中に、
丸い朱色のボールがしっかり守られてます。
 
普段は、赤い外皮で覆われて見ることができない光景。
ハッ!とします。
 
なんて綺麗な繊維の絡み合いなんでしょう。
 
私も作ってみたくて作り方を伺ったところ、至って簡単。
 
外皮が腐って繊維の間から溶けて来るまで、水に浸けておくだけ。
 
水にプカプカ浮いてしまうので、
濡れ布巾を上からかけおくのがコツ。
 
腐った外皮で水はドロドロになるので、
毎日の水替えが大事だそうです。
 
うーん、簡単そうだけど、根気がいるかも・・・。
 
トウモロコシもホオズキも素晴らしい繊維を持ってますね。
自然の力に感動します。
 
 

「木綿の種まき」その後

5月に生徒さんたちが自宅で蒔いた木綿の種。
育ち具合は“様々”です。
 
「今、花盛り」と言う方のお写真を見せていただきました。
薄いクリーム色の花が涼し気です。
 
 
 木綿の種まき1 木綿の種まき2
 
 
白い綿毛には、白い花なんですね。
茶色い綿毛は、赤っぽいお花になる様です。
 
一本の苗木から赤と白の花が咲いた方もいて、
こんな事もあるもんなんだと、
自然の不思議を感じさせられます。
 
さて、教室の苗木はと言うと・・・
 
「惨敗」です。
 
 
 木綿の種まき3
 
 
20粒も種を蒔いたのに、発芽したのはわずか4本。
その貴重な小さな芽も、南からの強い風に当たって全滅。
 
同じ頃、発芽した芽を間引いた生徒さんから、
苗を10本ほどおすそ分けしていただきました。
 
ところが、またもや南からの強風で葉がしおれて吹っ飛び、
茎だけがボッーと土に刺さっている感じに・・・。
 
2本だけ何とか持ち堪えています。
でも、ひょろひょろで、花は咲きそうにありません。
 
種から育てるのって、大変ですね。
 
 
 

柚木沙弥郎展

日本民藝館でダイナミックな型染めの展覧会が開催中です。
 
「柚木沙弥郎展」
 
先日、NHKの日曜美術館で紹介されていましたので、
ご覧になった方も多いと思います。
 
現在、95歳。
 
このお年でひとり暮らし、
そして今でも現役で制作に励んでいるお姿を見て、
「カッコイイ」の一言です。
 
 
 柚木先生の本
 
 
柚木先生は、私の学生時代の恩師です。
 
大学では染織全般にわたって学ぶ為、
型染めを柚木先生、織物を柳悦孝先生に学びました。
 
当時は、柳宗悦の唱える民芸論の色濃い学風があり、
私は、ひたすらこの民芸臭さに抵抗しながら、
ポップな感覚を求めていた気がいたします。
 
柚木先生の凄いところは、大学を退官されてからです。
 
見事にこの民芸から脱出し、アートの領域に入った事です。
 
今の時代にしなやかに対応し、
試行錯誤しつつご自分を常に変化させて来たところです。
 
前回の記事に登場の92歳のお婆様も凄かったですが、
柚木先生のパワーからも凄く元気をいただきました。
 
教室でこのお二人の話をしたところ、
皆さんも、80歳までは自分の織っている姿がイメージできたようです。
 
柚木沙弥郎展は6/24までです。
 
 

92歳でまだまだお元気

88歳になるまでの二十数年間、お稽古にいらしていた生徒さんが、
先日おひとりで訪ねて来て下さいました。
 
現在、92歳の一人暮らし。
 
このお婆様、只者ではありません。
 
88歳の頃、体調を崩され長く入院生活をなさったのですが、
そこからリハビリを経て見事に復活。
 
再び一人で歩けるようになり、一人で暮らしているのです。
 
私より身体も声も大きく、頼りになる親分と言った感じの方で、
政治経済に詳しく、社会の動きも常にチェック。
 
タブレットを持ち歩き、
情報収集、写真撮影、メールなどを楽しんでいるそうです。
 
今の時代にちゃんと乗っかり、しっかり生きてます。
 
「ぶら下がって生きちゃダメよ」
 
この言葉がお婆様の口癖。
しっかり自分の力で生きなさいと言う事です。
 
85歳でそれまで織った綴れ織りの作品十数点を集め銀座で個展をしました。
 
 
 作品
 
 
まるで絵画のような緻密な綴れ織りに、誰もが感心しっぱなし。
何をやっても凄いのです。
 
誰でもが、このお婆様のようなわけにはいかないかもしれませんが、
いくつになっても人生を楽しんで暮らしているご様子は、
とっても励みになりました。
 
そう言えば、
 
「終わり良ければ全て良し」
 
も、このお婆様の口癖でした。
 
素敵な年を重ねて生きていきたいですね。
 
 
 
 

沖縄の染織工房巡りの旅

沖縄は、日本の中でも特に染織品に優れた地域です。
 
南方からいろいろな染織技術が渡来し、
琉球王国の産業として独自に発展したせいだと言われています。
 
 
 沖縄
 
 
沖縄でいろいろな染織工房を巡り、
手織りの体験をして来た生徒さんがいます。
 
これは、お借りした工房のパンフレットと体験作品の数々。
 
沖縄の染織品のほとんどが重要無形文化財に指定されており、
昨今、これらの着物や帯を目にするのは、
美術館や超高級呉服店、着物雑誌のグラビア写真になってしまいました。
 
日常の生活の中では見かける事が滅多にありません。
 
そんな中、貴重な体験作品を見せていただき、
生徒の皆さんも興味しんしん。
 
教室では、この沖縄の花織をイメージした浮き織りの作品を
高機の課題として織っています。
 
いつの日か、沖縄の染織を訪ねた旅をしてみたいものです。